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2010/06/11

「はやぶさ」が帰ってくる

宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が、6月13日夜に地球に戻ってくる。

「はやぶさ」は、2003年5月9日に打ち上げられ、2005年9月には小惑星イトカワに到着、観測、離着陸に成功し、2007年4月、地球への帰路についた。

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小惑星「イトカワ」に着陸し、土壌採取を試みるはやぶさの想像図

姿勢制御装置の故障、化学エンジンの燃料漏れによる全損、姿勢の乱れ、電池切れ、通信途絶、イオンエンジンの停止など数々のアクシデントに見舞われ、まさに満身創痍の飛行を続けてきた「はやぶさ」だったが、6月9日、最終的な精密誘導に成功したことが確認され、6月13日にオーストラリアの「ウーメラ立入制限区域(Woomera Prohibited Area; WPA)」に落下することがほぼ確実になった。

この後13日に、切り離された地球帰還カプセルが大気圏に突入。パラシュートが開いて広大なWPAに落下する。翌日の夜明けを待って捜索を開始し回収するという段取りだ。

打ち上げから7年、60億キロの長旅を終えての帰還で無事の成功を祈りたいが、まだまだ難題が残されているようだ。

最後の大仕事はカプセルの分離と大気圏突入。アルミ合金製で直径約40センチのカプセルは、はやぶさ本体から切り離されて秒速12キロで大気圏に突入し(本体は大気圏で燃え尽きる)、地上10キロでパラシュートが開く。
長年の(計画より3年も長くなった)飛行で機体や電池の劣化が予想されるため、切り離しがうまくいくか、パラシュートがちゃんと開いてくれるかが心配されている。
WPAは面積が12.7万平方キロで、日本の本州の半分よりも大きいエリア。直径40センチほどのカプセルが果たして回収できるのか、カプセルには、採集された(であろう)とされる小惑星の砂粒が本当に入っているのか、などなど。

残された作業が無事成功することを祈る。

それにしても、プロジェクトを長い間担当してきた皆さんには、心から敬意を表したい。
・イオンエンジンによる推進、長期連続稼動
・微小な重力しか発生しない小惑星への自律的な接近飛行制御
・小惑星の科学観測とサンプル採取
・小惑星への突入、離脱
など、「世界初」の科学的な成果がいくつも挙げられているが、もしスタート当時にあの蓮舫さんによる「事業仕分け」が行われていたら、「なぜ『世界初』を目指す必要があるんですか?」と、ばっさりと切って捨てられるような「荒唐無稽」なプロジェクトであったかも知れない。

日本の持てる技術を最大限に生かして、ちっぽけな小惑星に衛星を送り、それを地球に帰還させるという、なんとも壮大な『ロマン』が実現しようとしている。

そんな『夢』や『ロマン』の実現に、多少の税金を使うのも許されていいのではないだろうか。

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